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個人塾、その凄みを知った日(2)〜広告談義〜

 まだ小学生の授業までは3時間ほどある。Kamiesu先生、猫ギター先生、そして俺の3人でまずはそれぞれの「広告」を見せ合い、感想や意見を述べ合った。こんな贅沢な「企画会議」があるだろうか?


俺がまず手に取ったのは、猫ギター先生の広告だった。春にもいただいたのだが、今回のはさらに文章が多い印象があった。あのね。これだけは言えることがある。どこかの塾のチラシを見たとするでしょ?でね、俺、たいがいのチラシなら、それを「まね」できる自信がある。ところが、猫ギター先生のチラシを見るでしょ?もうね。ムリだよ。これはマネできない。文章の凄まじさもさることながら、その発想やフレーズがとても思いつかないほど、ある意味ブッ飛んでいる。これを普通の人が使っても、恐らく、ふざけていると思われ顰蹙を買って終わる危険性が高い。猫ギター先生の広告の、柔の部分、脱線の部分、遊びの部分を最終的に塾の広告として仕立てるのは至難の技だ。猫ギター先生だからこそバランスを紙一重のところで取っており、全体として、最後まで読破した人が魅力を感じて電話をしたくなる内容になっているし、このチラシを読破できるかどうかで既に入塾の選別がされている。

次に拝見したのがKamiesu先生の広告。開校当時から、先生がブログに「広告を出したその日に受付開始とほぼ同時に問い合わせの電話が鳴った」という内容を読んでは、「どんなチラシ作ってるんだよ?」と思っていたのでこれも楽しみだった。見た感想。まずこれ、手作りですか?全部、ワードでやったんですか?というような細かい技術を駆使したレイアウト(実際、すべてワードで作成されたということだった)。広告はラブレターだともブログで仰っていたと思うが、内容もまさに「愛とガッツ」のエッセンスが随所に散りばめられている。目立つところで手書きを使ったり、余白を使ったり、あるいは一見すると目立たないところに細かな工夫がされているために、却ってそこが目立つという人間の心理をついていたり、参考になること満載だ。

俺は2人の先生の広告を拝見した瞬間、いままで今ひとつ自分でもわからなかった疑問の解答がふっと出た。俺が過去3年で出した数々のチラシは、そのほとんどに即効的な反応がなかった、その答えだ。

2人の先生の塾の指導は厳しい。それは当然チラシにも謳ってある。ところが、俺が出していたチラシとの決定的な違い。それは「ユーモア」であったり「温かさ」の部分だ。俺のチラシは「来てください」というチラシではなく「こんなヤツは来るなよ!」というメッセージで包まれている。結果、電話してみようとか、資料をもらいに行ってみようと思う気持ちを引き出せていない気がした。2人の先生の広告は「厳しさ」をしっかり示しているにも関わらず、攻撃的であったり、排他的な印象を決して感じない。「ちょっと電話をしてみようか」という開放的で包容力のある内容になっている。さらに広告にかける手間と時間がやはり半端ではない。俺の場合は情報と文字だけベタ打ちしたら、あとは印刷業者に投げている。文章は3日も塾に詰めれば書き上がる。Kamiesu先生も猫ギター先生も、そんな生半可な時間で広告を作り上げていない。

話は少し飛んでしまうが、Kamiesu先生が夜の授業終了後、生徒が全員帰ってそろそろ食事に出ようかというところで俺に仰ったことが忘れられない。それは、俺が書いた文字ベタ打ちの広告文章をご覧になり、そして1日俺の塾を観察された後に仰ったことだ。

「ロカビリー先生のチラシの文章は、ロカビリー先生や塾の一面しか表現していない気がします。たとえば・・・」

そうか・・・。見落としていた。俺は自分で塾を作り、塾長としてやっていながら、それを表現する手段であるチラシの文章で、最も表現しなければならない「自分の塾」を表現できていなかったのだ。訴えたい一部の部分だけをクローズアップし過ぎ、紙面スペースの関係もあってそこで内容が終わり、結果として俺の塾のすべてをガラス張りに伝えられていなかったのだ。力んで、突っ張って、吠えるだけのチラシだったのだ。塾を出る直前のわずかな時間だったが、俺のチラシに関するKamiesu先生からの言葉は、その短い中にも多くの示唆に富んだ宝の言葉だった。隣にいらっしゃった猫ギター先生からは、ご自分の塾に対する思いをうかがった。「生徒はたった1人でもいいと思っています」。10年以上も個人塾を張っていながら、今でも安穏とした環境を求めず、日本を背負い立つ人間を送り出したいという本気を感じた。

とにかく、この辺では見たことがない、いや、今後見る事もないであろう広告と、それに関する意見交換および広告というものに関する見解を2人の先生たちと語り合うという、何にも代えがたい貴重な機会だった。またそれは、既に出来上がっていた冬期のチラシ文面を、白地から作り直す決心をした瞬間でもあった。(つづく)
ロカビリー * 人生のブルース * 23:43 * comments(2) * -

コメント

このシリーズ。ワクワクしながら読んでいます。
いや、ゾクゾクしながら読んでいると言った方が適切かもしれません。

続きも楽しみにしております。
Comment by 赤虎 @ 2009/11/12 3:17 AM
赤虎先生

決してご期待を裏切らないと思います。

この後がまた凄いんです(笑)。
Comment by ロカビリー @ 2009/11/12 1:50 PM
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