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個人塾、その凄みを知った日(6)〜感動そして感謝〜

 
授業が終った後、塾を出て、3人で国道沿いのラーメン屋へ向かい、それから俺が時々行く焼き鳥屋でKamiesu先生、猫ギター先生と話をした。二人の先生たちはこの日は早朝から移動され、相当お疲れだったにちがいない。それにもかかわらず、夜遅くまでお付き合いいただいた。これをお読みの皆さんで、お二人に会ったことのない方は、Kamiesu先生、猫ギター先生のお人柄をどのようにご想像されているだろうか。

こういう出会いの醍醐味は、初対面でも初対面のような気がしないことだ。これまで俺は2人の先生のブログをたくさん拝見してきた。先生たちのブログは、高慢で虚勢を張った鼻持ちならないブログでもなければ、忙しいだの疲れただの、見苦しい弱音や愚痴を垂れ流す便所のような、底の浅いブログでもない。先生たちの思い、考え、生き様が鋭く誠実にきちんと表れているブログであるからこそ、初対面でこちらがいい意味での意外性を受けるギャップはあっても、困惑するようなギャップはないし「ブログの続き」から話ができるのである。

俺は大人の人と話をするのは好きだ。ただ、正直に言えば、他の塾の方と会うことに関しては「積極的になれない」ところがある。理由は、世の塾長というのは、何となく人の話など興味がなさそうだし、我田引水の姿勢が強そうだし、偏屈な思想を持っていそうだし、根が暗そうだからだ。オヤジギャグやセクハラまがいのツッコミで普段小中学生を笑わせているセンスを、大人との話で持ち込まれたらたまらない。つまり「つまらない人」と時間を過ごさなければならないことへの億劫さがあるのである。しかし、Kamiesu先生や猫ギター先生ならば、ブログを拝見した時点でその心配はない。安心して話ができる。「1度会ったぐらいではわからない」とか「1度話したぐらいではわからない」という考えはよく言われる。でも、俺はそうは思わない。俺は1度会えば、1度話せば、その方が「おもしろい」か「つまらない」かわかるつもりだ。逆に、30年、40年も生きてきて、1度会って、1度話してそんなこともわからないでどうすんだよ?と思う。大人の「おもしろい」というのは子どもの感覚のそれとは少し違う。古文の「あはれ」「をかし」「かなし」に近い。ずっしりした人生経験を積み、理を知り、情を知り、深い悲しみを知り、怒りを知り、そして笑いを知る人だ。哲学を持っている人だ。そんな人の話は面白い。「つまらない」というのも口数の多い少ないではない。深い悲しみも知らず、怒りも知らず、笑いも知らず、ちっぽけな虚栄心にしがみつく哀れな人。そんな人の話は何年生きていようが本当に底が浅く、犬も食わない話ばかりでつまらないものだ。3人で話した居酒屋。ブログの話、生徒の話、塾の話、家族の話。話しては笑い、聞いては笑う。そして深く頷き、納得する。最後はそんな時間があっという間に過ぎていった。

あの日から1週間たとうとしているが、今でも思い出し笑いをしてしまうお二人が残したエピソードを紹介する。

Kamiesu先生。先生が居酒屋である人物の表情をご自分の顔で模写されたのだが、それがとてもよく似ていて、というか一瞬俺の中では完璧に重なってしまうほど特徴を捉えていて可笑しくて仕方なかった。その場でも笑ったのだが、翌日からも思い出すたびに笑ってしまうようになった。あまりの上手さに俺もやってみたくなり、鏡の前でやってしまった(笑)。また、本当は先生には「生演奏ライブ」もやってもらおうと思っていた。だが、あの状況で言い出すことができずに終わったことが心残りだ。

猫ギター先生。車の中でCDをかけていたときに、俺のお気に入りのアーティストの2曲目の最後の終わり方を指摘された。「シンバルだけで終わる曲って凄いですね」。俺も何となく前からそう思っていたのだが、それを後部座席から初めて聴く猫ギター先生が的確に指摘された絶妙のタイミングが可笑しかった。そのせいで、俺はその曲の終わりのシンバルを聴くたびに猫ギター先生のツッコミを思い出し、シリアスな曲には似つかわしくない笑いがこみ上げてくるようになった。

2人が来られた日は不思議なこともあった。生徒が俺に怒られるようなことをしなかった(笑)。まあ、俺もその辺は少し意識して、「イカリボタン」を仕舞っていたのかも知れないが。また、ぜんぜんなかった問い合わせが来た。しかも直接来校されての問い合わせだ。授業中だったこともあり、例によって十分な対応はできなかったが、後日、再度来校され冬からの入塾が決まった。

2人の先生たちからはワードの技術や教材の情報など実務に直接役立つものをたくさんいただいた。それだけでなく、俺の塾に「存在」という大きなものを残していってくださった。6月ぐらいから何となくモヤがかかっていた俺の頭の中がサーッと晴れたような気がした。まだうまく表現することはできないが、これまで「make いい塾」、つまりいい塾にするという外から力で作り上げようとする意識がいつのまにか強くなっていたのが、先生たちとお会いした後は、「be いい塾」、つまり、いい塾になっていくという内側からの気持ちが強くなった。相変わらず俺一人の塾だが、塾の中に2人の先生たちの「存在」を毎日感じている。

桜庭が総合格闘技で売れ出した頃、勝利者インタビューでこう言った。「プロレスラーは本当は強いんです!」。俺はこの言葉を思い出した。Kamiesu先生、猫ギター先生との広告談義、さまざまな話、そして授業を拝見してから俺は「個人塾の凄み」をはじめて実感できた。「個人塾は本当は強いんです!」。あの日俺はそう思った。俺ももっと強くならなければと感奮した。

さて、このシリーズも最終回だ。予想はしていたが、このシリーズを書き始めてから、アクセス数は普段よりも多くなった。Kamiesu先生、猫ギター先生というブログで常に大きな存在を誇る2人の先生への関心の高さを表している。塾ブログは俺が書き始めた頃はとても盛り上がっていた。ブログを書き始める人が次々と現れ、交流も活発だった。しかし、最近は例えば楽天のランキングや他の先生方の更新頻度、内容、コメントのやり取りの様子から見ても寂しくなった感は否めない。ジュゲムや他はどうなんだろうか。だがいずれにしても、俺は本当にブログをやってよかった。そして、自分でこんなことを言ってしまうが、真面目に(時々不真面目に)書いてきてよかった。たかがブログ、ブログは仕事ではない、そんなことを言う人もいるだろう。

でも俺はブログを書いてきた。きれいだろうが、汚かろうが、かっこ良かろうが悪かろうが、少なくとも嘘のない真面目な気持ちで、自分の内面を正直に書いてきた。

だからきっと、俺は猫ギター先生やKamiesu先生にお会いできたのだろう。もしも俺が適当でいい加減なブログを書いていたら、絶対にこの日はなかった。

そう思っている。(完)
ロカビリー * 人生のブルース * 21:52 * comments(4) * -

コメント

突然の訪問を快諾していただいて、先生には感謝しております。

先生の感想で、自分の授業を客観的に見ることができました。
僕は数学・理科の導入部は、ものすごく安全運転な授業なのですが、そのことを再認識できました。
特に今回の証明とか、理科ならオームの法則とか、湿度計算とか、地震のあたりは、しつこくしつこく授業します。授業がすんだら今度は、小学生に計算ドリルをやらせるような感覚で「鉄板」になるまでしつこくしつこく演習を繰り返します。「公文式の理科」みたいな教え方です(笑)

それはそうと、楽しいひと時を過ごさせていただきました。
カミエス先生の、あの一瞬のものまねは最高でした(笑)
また、ロカビリー先生のお好きなアーティストのCD、amazonで注文いたしました。

広告もHPも、お蔭様で先生方とのお話によりインスピレーションが湧きました。木曜日あたりまでには仕上げたいと思います。

僕は教育に携わる者として心掛けている事は、地面に垂直に天を向かって、真っすぐ指導し、真っすぐな文章を書くことです。さもなければ真っすぐな子供が集まりませんし、歪んだ者が真っすぐになりません。
先生の塾の子供たちは、ストレート一本勝負でした。

今度は、ロカビリー先生とカミエス先生と3人で、東京の赤虎先生の塾に押しかけたいですね。
Comment by 猫ギター @ 2009/11/16 11:50 PM
猫ギター先生

こちらこそ、今年は2回もお会いできてとても嬉しかったです。また、カミエス先生と初めてお話できてとても楽しい時間を過ごせました。

先生に数学の質問をしていた女の子が、その夜お母さんに「広島の先生、すごくわかりやすかったよ!」と言っていたそうです。

先生もオリオールズ、ぜひ聴いてください。聴いているときは歌詞の意味をあまり意識しないのですが、私はあのメロディとボーカルの声だけで何度も泣けます(笑)。

>僕は教育に携わる者として心掛けている事は、地面に垂直に天を向かって、真っすぐ指導し、真っすぐな文章を書くことです。さもなければ真っすぐな子供が集まりませんし、歪んだ者が真っすぐになりません。
先生の塾の子供たちは、ストレート一本勝負でした。

本当に素敵な言葉。そして最高の賛辞をいただき、涙が出そうになるほど感激です。

>今度は、ロカビリー先生とカミエス先生と3人で、東京の赤虎先生の塾に押しかけたいですね。

カミエス先生は面が割れているので後ろに隠れ、猫ギター先生と私で税務署員を装って(笑)。


Comment by ロカビリー @ 2009/11/17 12:25 AM
管理者の承認待ちコメントです。
Comment by - @ 2009/11/17 12:39 AM
偉大な師を持つ受験生さんへ


非常に熱いコメントありがとうございます。あまりに熱いコメントのため、ご希望通り非公開にさせていただきます(笑)。

本当に素晴らしい時間を共有できました。

受験生さんも、第一志望に合格。そしてその先も、思い描く未来予想図(あれ?どっかで聞いたフレーズ笑)の上に立てるように頑張ってくださいね!遠くから成功をお祈り申し上げます。

Comment by ロカビリー @ 2009/11/17 1:34 PM
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