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君たちに才能はない。しかし・・

 現在、わが塾はお盆により休校中。15日まで休みで16日から中3は合宿がある。

このブログに既に何度か書いたが、第7期生になる中3は俺の手応えとして歴代もっとも出来が厳しい生徒が揃っている。現に、これまでの定期試験や模擬試験において、個別データでも集団平均においてもそれを表している。たとえば、定期試験なら450点は当たり前に越えてくる塾生に中で、450点以上がゼロ、300点台が過去最多。模試でも平均偏差値が50台で、トップ校を志望している生徒がクラスで半数以上いるにもかかわらず、その偏差値を現時点で越えている者が誰もいない状況だ。

もともと勉強に対する積極性があまりないことに加え、中1の後半から学習姿勢が崩れ始め、授業を止めて説教する時間が多かった。現在のメンバーにも退塾寸前まで行った生徒が3名いる。


そんな彼らも、志望校を決めて4月から「彼らなりに」頑張っている。2人ほど脱落者(退塾者)が出たが、その他のメンバーたちは少しずつではあるが学習に対しての積極姿勢も見え始め、ジリジリとその成果が出始めている者もいる。


俺の塾において、生徒に対するスタンスで大切にしていることがある。「俺の本音を言葉にして伝えること」だ。こんな当たり前に思えることでも、実はなかなかできるものではない。少なくとも俺が「この人は子どもに本音を言っている」という大人を、俺は片手に余るほどしか知らない。「褒める」「叱る」なんて流行りの操縦法ではなく、俺が凄いと感じたら「すごい!」し、ダメだと感じたら「全然ダメ、話にならない!」と伝える。これまでずっとこの姿勢は貫いてきた。

今年の7期生に、盆休み前最後の授業でこれまで何度か話したことをもう1度話した。

「これまで何度も言って来たけれど、君たちはわが塾歴代下から1,2、いや、たぶんもっともレベルが低いクラスだ。はっきり言ってしまえば、勉強に関してのセンスや才能という面においては『ない』と思う。言われなければやらない、言われたこと以上はやらない、少しでも任せたらデタラメなやり方をするか楽な方法でサボる。復習をしない。だからすぐに忘れるし定着しない。確認テストも直前に勉強を始めるからいつも満点ではなく1つか2つ間違える。このままではいけないとか、創意工夫とか、そういうものがほとんどなく、『怒られるから』という危機感でしか勉強ができないのが君たちだ。だから、君たちをもうずいぶん褒めていない気がする。仕方ない、褒めることがないのに褒められないからね。ただ、夏の前半が終わり、僕は少し君たちを見直した。可能性を感じ始めている。君たちは自分で『才能がない』ことに気が付き始めている。それが行動となって表れているのは、自習に来る回数だ。君たちは中3になって自習にはよく来ているよ。しかも、『全員』自習に来ている回数としては、歴代のどの中3よりも上だ。もちろん、最初は自習に来なければ僕から何か言われるから来ていた人も多いだろう。でも、部活が佳境に入る、1学期で一番苦しい6月も7月も、コツコツ自習に来る人が多かった。夏期特訓でも全員そろっての自習が当たり前になっている。君たちにとって勉強が当たり前になり、そのレベルに到達するまでの積極性が出てきたということだ。そして何よりも『才能がない』ことを自覚した君たちが、『努力』によってそれをカバーしようとしているのがわかる。国語の作文や英作文の添削も、まあ見れるものではないほどヒドイものだが、よく持ってきている。まだまだ出来は悪いし、ほとんど成果が表れていない人もいる。しかし、僕は可能性を感じ始めている。そして、僕も君たちのお蔭で大きな挑戦ができている。これまで使った教材プリントが使えず、多くを作り直し、いつも君たちの授業のことを考えている。例年なら、僕がこの状態になるのは秋以降なんだけれども、今年はもう3月からずっとこんな感じだった。君たちに『才能がない』おかげで、君たちは努力の必要性が分かり始めて来たし、僕もいつもの年よりも意地が出て来て、腕の見せ所だという気持ちが強い。いい感じになってきた。面白くなる。だから、このいい感じをお盆休みも続けて、また合宿で会おう。」

今年はそれほど俺自身が危機感を持っている。だから1学期から彼らを例年よりも強めに引っ張ってきた。1学期に2人辞めてしまったのはそれについて来れなかったからだ。もしかしたら、あと何人かやめるのではないかと思ったが、夏の前半まで乗り切ったので、しばらく大丈夫だと思う。作戦はシンプル。周囲の中3はやっと受験勉強を本腰入れてはじめたところ。うちの7期生はその5か月前ぐらいから(時間数だけ)飛び出している。時間だけでなく、最近は内容も伴い、かみ合ってきたのでこれからもとにかく時間をしっかりかけて勉強させ、1〜2か月ごとに予定の進み具合を俺が1人1人チェックする。この作戦は、後半相当きつくなる。でも、だからといって、スパートがきくほどの『才能』を持たない彼らが勝つためには、後半バテるとかなんとか言っている場合ではない。追ってくるヤツ、自分よりも前を走るやつにしがみついてでも集団に入り込むしかない。しつこく引っ付いて行くのだ。彼らは1年生の後半から俺に何度も怒られ、個人的には相当激しく怒られても、この塾にしがみついて、俺にしがみついてきたのだ。その「しつこさ」で勝負させる。俺は俺で、彼らのサプリメントとなる授業や教材を考え、それをやらせていく。

もしかしたら、いや、別に悲観的なのではなく、可能性としては十分に考えられるが、この7期生からトップ校が1人も出なかったら、それは俺の塾始まって以来のこと。俺は自分の塾の看板を揚げる時に「〇〇高校(地域トップ校)をめざす塾」と宣言し、以後もそれを言い続け、これまでそのトップ校に1年も切らすことなく卒塾生の25%強を送り出してきた。

だからもし、今年トップ校合格が本当に「0人」のようなことになれば、俺は塾をたたもうと思う。もちろん中2以下の塾生に無責任になることがないよう、計画的・段階的にしなければならないが。毎年毎年「今年で最後」と思ってやっているのだから、そのぐらいの覚悟を持ってやらなければならない。「才能のない」7期生と運命を共にするつもりでやろう。勉強においては努力が才能を凌駕することを、逆転という形で実現し、彼らにその経験をさせたい。
ロカビリー * 教務のブルース * 21:52 * comments(0) * -

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