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周期

 塾をやっていて不思議なことの1つは、生徒の学力や雰囲気において「楽しみな年」と「厳しい年」がほぼ1年ごとにやってくることだ。これは昔、俺が関東で塾講師をやっていた時にも感じたことである。

今年の中3は7期生になるのだが、これまで全体的に意識が高く、学力の成長も順調だったのは「1期、3期、6期」のメンバーで、意識や行動面でなかなか改善や成長が見られず、説教をする回数も退塾者も特に多かった年が「2期、4期、5期」のメンバーだった。

指導というものは単純に、生徒の学力が高いから「ラク」で、学力が低いから「苦労する」わけでもないのだが、それぞれの学力の生徒たちが、自分の目標に向かい、こちらの指導を全面的に信じてついてきてくれるかどうかは非常に大きい。つまり、こちらが覚えて来いと言ったことを期日までにしっかりと覚え、ここは必ず復習しておくようにと言った時には必ず復習する素直で真面目な姿勢だ。また、特に中3には優先的に自習室を開放しているので、自習に来る頻度や時間も年によって、また個人によっても違う。こちらが「やっておいたほうがいいよ」と投げかけた言葉を「先生がそう言うのなら、ここは絶対にやっておこう」と思うのか、「『やっておいたほうがいい』ってことは強制ではないから、別にやらなくても怒られないってことだよね」と思うのか。子どものレベルの意識とはだいたいこんなところで如実に出てしまう。

先ほど、学力の高低と指導の苦楽はあまり関係ないと言ったが、正直に言うと、俺の塾に限って言えばそれは無関係とは言えない、なぜなら、俺の塾は開校当初から「○○高校(公立トップ校)をめざす塾」と標榜しているからである。開校した8年前も今も、ここまで学区トップの高校名を明確に出して、
そこを目ざしますという塾はほとんど見かけない。大きな理由として、そういう風に全面的に出すことによるデメリットが大きいことがあると思う。たとえば、それによって入塾しようとする生徒や家庭が限定されてしまうこともあるだろう。また、言うのは自由でタダだが、もしもまったくお話にならないようなお粗末な実績を出してしまうと一気に「あそこは口だけか」と愛想を尽かされる可能性もあるかもしれない。

もちろん、それらのことをすべて考えた上で、自信があるから宣言したわけであるが、現実は、入塾時から成績に関してトップ校レベルの生徒が小さな個人塾に押し寄せることはない。そのような生徒は年に1人いればいい方で、実際は成績が中の上、あるいは中位の層を徹底的に鍛え上げ、トップ校に押し込む。成績が学校平均以下の生徒も少なくない。そういう生徒の場合は、さすがにトップ校は難しくても、最終的には本人も親もまさか行けるとは思っていなかったような高校、言い換えれば、「僕はこの高校ぐらいに行ければいい」「うちの子はこのぐらいの高校しか行けないだろうから」の少なくとも1ランク上、できれば2ランク上の高校に行けるぐらいにはしたいという思いがある。

クラス分けも、入塾選抜試験もできないので、個人の資質がトップ校から離れていれば離れているほど、こちらは彼らに多くの負荷を課さなければならなくなる。その負荷は物理的な勉強量であったり、甘い意識を引き上げるための厳しい叱責だったりさまざまだ。いくらこちらが「勝てる方法」を知っていても、その作戦を遂行するためには必要な学力が必要であり、その学力を支えるものは「勉強時間」という生徒個人の投資である。

ごく平均的な中学生なので、こちらが何も言わなくとも勉強してくれる生徒は少ない。だからこそ、働きかけや時には脅しも必要になる。それでも、家に帰ると塾のテンションはすっかり忘れてテレビなどに興じてしまい、それでまた学力成長のない1日を積み重ねてしまう。そこにまた俺が切り込み、場合によっては彼らの日常生活や性格の否定までして気付かせ、動かさなければならないのである。

当然そうなると「明るく楽しい塾生活」ではなくなるので、途中脱落者はどうしても出てくる。それでも、俺は看板を掲げている以上、そしてまた、それを期待して俺の塾の門を叩き、自ら志望校を口にしている生徒がいる以上妥協は許されない。

今年度の7期生は、歴代の受験生の中で最も厳しい学年である。中2までの模試(注:中2までの模試はI社の全国模試を使用)では偏差値60台が0人ということも珍しくなく、全体的に英数国の低さが目立つ学年だった。分布としては偏差値50台前〜中に集中する学年である。知識の定着も悪く、悪いだけならまだしも、それを改善しようという危機感や行動力が起きない結果、中1の終わりごろから幾度となく長時間説教をしてきた。各中学の成績においても、ほぼ全員が第2グループ以下(わが県の公立中学では個人順位を出さないため、451〜500点が何人という得点段階別の成績表になっている)だった。

その彼らが中3になり、3名ほどの脱落者を出してしまったが、前回の11月模試で1つの目標だった塾内平均偏差値60を突破した。7名しかいない中3だが、そのうちの6名が偏差値60を超えたことは、2年生までの彼らのことを考えると大きな進歩であることはまちがいない。中3から受験するこの県模試結果も、第1回から偏差値1〜2刻みで平均を上げてきた。個人個人で見ればアップダウンが大きい生徒小さい生徒はいるが、いまだ継続中である「トップ校偏差値到達者ゼロ」の状態からもうあと一歩のところまで来た。学校の成績でも、第1グループに入ってくる生徒が出てきた。

そのような成長が見られる一方で、先日、公立入試の内申を決する期末試験が終わったのだが、この最後の重要な定期試験で多くの生徒が失敗している。中間試験の結果が概ね良好だったので、期末も高得点を取って、入試では1ポイントでも内申点を有利にしておこうという作戦はもろくも崩れた。まあ、こういうところこそ、7期生を表しているといえばそうなのだが。

いずれにしてもあと数週間後に内申点が出る。今週からは最後の保護者面談を行う。そこでこれまでの模試結果と学習姿勢を鑑みた可能性を率直に話し、あとは保護者と本人に決めてもらう。

当初、7期生は7人のうち5人がトップ校を志願していたが、1人がスポーツ系に進むために学区外の公立を受験することになり、さらに1人は模試偏差値の開きが大きすぎるために自ら1ランク下の2番手校に変更した。残りの3人はいずれも偏差値が足りない。さらにその中の1人は内申点も5ポイントほど足りない。この時期、楽観視しなくても毎年1人ぐらいは「このまま行けば無事にトップ校に受かるだろう」という生徒はいたが、今年は本当に1人もいない。つまり、3人とも五分五分未満の可能性の中にいる。模試はあと2回だ。

いつもは俺もこの辺からストレスや緊張がピークにまで高まるのだが、今年度に関してはもう4月の時点からその状態が続いている。頭髪の量は一気に減少したように思う。昨年度の6期生を指導した疲労が抜け切れないままの状態で新年度に入ったこともあり、今年度は少しでも時間があれば「とにかく寝る」ことを心がけてきた。先月からは、冷え性と全身の筋肉の硬直の改善を少しでも図ろうと、週1回のペースで鍼灸治療も受けている。

およそあと3か月。

こういう学年だからこそ、俺の腕が試される。

トップ校を目ざす塾だと公言してきたからには、絶対にトップ校に合格させなければならない。

たとえ1回でもそれができないということであれば慙愧に堪えない。忍びがたき恥である。

毎年「今年で最後」と覚悟を決めてやってきているつもりだが、今年度は特に不退転の決意で臨んでいる。
ロカビリー * 教務のブルース * 15:29 * comments(2) * -

コメント

こういっては語弊がありますが、まさに塾って本当に幸運の学年と不運の学年が交互にやってくるんですよね。同感です。なお我が塾は今シーズンは不運の方です。。。 と、こんな年に粘れる塾こそ本物だと信じ、ぜひ戦い抜きましょう。
Comment by ひで @ 2013/12/04 3:18 AM
ひでさん

もちろんやります。
Comment by ロカビリー @ 2013/12/04 4:19 PM
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